コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動しており、30年以上前から紛争に悩まされている。
コンゴ民主共和国、北キブ州の鉱山(Getty Images)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の反政府勢力が東部地域の鉱区を支配することで毎月約30万ドル(4300万円)もの収入を得ている。国連が9月30日、明らかにした。

同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)は今年4月、北キブ州内にある複数の鉱山を占領。この1つにはスマートフォンやコンピュータの生産に欠かせない重要な鉱物が埋蔵されている。

国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の代表は国連安全保障理事会の演説で、「反政府勢力はコルタンから抽出される希少金属タンタルから莫大な利益を得ている」と語った。

それによると、この炭鉱から採掘されるタンタルは世界供給の15%を占めているという。

MONUSCOの代表は「この犯罪取引から利益を得ている人々に国際的な制裁を科さない限り、平和は遠のき、市民は苦しみ続けるだろう」と警告した。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。

国連によると、この紛争に巻き込まれて死亡した市民は数万人と推定されているが、正確な死者数を知る術はない。被害の全容も不明である。

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