◎イスラエル軍がレバノンに侵攻したのは2006年夏以来18年ぶり。
イスラエル軍がレバノン南部の集落に侵攻、地上攻撃を開始した。現地メディアが1日に報じた。
イスラエル軍は声明で、「レバノン南部への標的を絞った地上攻撃を数時間前に開始。国境に近い集落にいるヒズボラを攻撃している」と述べた。
それによると、同軍は空爆と大砲で複数の集落にあるヒズボラ拠点を攻撃しているという。
米当局は9月30日、イスラエル軍がヒズボラに対する「小規模な地上攻撃」を開始し、北部国境沿いの集落(レバノン南部)を封鎖したと述べていた。
米国防総省によると、オースティン(Lloyd Austin)国防長官がガラント(Yoav Gallant)国防相と30日に電話会談し、レバノン南部への地上侵攻について説明を受けたという。
同省は声明で、「両氏はヒズボラがイスラエル北部のコミュニティに対して、昨年10月のイスラム組織ハマスのような攻撃を行えないようにするため、国境沿いの敵インフラを破壊することで合意した」と述べている。
同省によると、両氏は国境沿いで生活する民間人を保護し、避難を余儀なくされた人々が故郷に戻れるようにするためには、外交による解決が必要であることを再確認したという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、イスラエル軍は1日、レバノン南部の3つの建物の住民に避難を命じたという。
イスラエル軍は9月27日、首都ベイルート南部のヒズボラ本部を空爆し、ヒズボラの首長ナスララ(Hassan Nasrallah)師らを殺害。それ以降もヒズボラ施設などへの空爆を継続している。
その後、イスラエル政府はレバノンへの「限定的な地上侵攻」を示唆。同国北部で準備を進めていたとみられる。
アルジャジーラは政府に近い関係者の話しとして、「イスラエル軍はヒズボラの戦闘員を無力化し、イスラエル市民が北部の故郷に戻れるようにするという主な目的を達成するために、レバノン南部に緩衝地帯を設けるつもりでいる」と伝えている。
イスラエル軍がレバノンに侵攻したのは2006年夏以来18年ぶり。
イスラエルは宿敵イランの支援を受けるヒズボラを国家安全保障上の最大の脅威の1つとみなし、秘密裏に核開発を推し進めてきた。
イスラエルは核弾頭(地上発射型ミサイル)を80~100発保有していると推定されるが、その保有を認めたことは一度もない。