◎FRBは9月18日の前回会合で4年ぶりにFFを0.5%引き下げた。これにより、FF金利の誘導目標は4.75~5.00%となった。
米連邦準備制度理事会のパウエル議長(AP通信)

連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル(Jerome Powell)議長は9月30日、米経済は堅調な状態にあるという見方を示し、今後の利下げは慎重に行うと示唆した。

パウエル氏はテネシー州ナッシュビルのフォーラムで講演。FRBが年内にフェデラルファンド(FF、短期借入)金利をさらに引き下げるのではないかという投資家の期待を裏切った。

S&P500はパウエル氏の発言後、0.6%下落したが、その後持ち直し0.4%高で取引を終えた。

パウエル氏は質疑応答の中で、今後の利下げについて、「ある程度の時間をかけて行われるプロセスだと考えている。実際に利下げに踏み切るかどうかはデータ次第だ」と述べ、慎重に検討するとした。

エコノミストたちは週末に発表される雇用統計がFRBの方針を変える可能性があると指摘している。失業率が大幅に悪化したり、雇用が伸び悩んだりすれば、FRBは今年後半に大幅な利下げを検討するかもしれない。

FRBは9月18日の前回会合で4年ぶりにFFを0.5%引き下げた。これにより、FF金利の誘導目標は4.75~5.00%となった。

さらに11月と12月にも0.25%ずつ引き下げられることが確実となっている。パウエル氏は「これが最も可能性の高い結果であることに変わりはない」と述べた。「経済が期待通りに推移すれば、今年中にあと2回利下げを行うことになると思います...」

またパウエル氏は「米経済と雇用は概ね健全である」と強調。「FRBは急激な利下げではなく、金利を再調整している」とした。

さらに、「金利はより中立的なスタンス、つまり経済を刺激したり抑制したりしない水準に向かっている」と述べた。FRBはいわゆる「中立金利」を現在の水準を大幅に下回る3%程度としている。

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