◎週末の選挙で敗れたウィクラマシンハ前大統領はIMFの支援を受けながら債務再編を進めてきた。
スリランカのディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)新大統領は25日、国際通貨基金(IMF)および外国債権者との協議を近く再開すると明らかにした。
ディサナヤケ氏は記者団に対し、「関係者と債務再編について話し合い、速やかに手続きを完了させ、融資を得ることを期待している」と語った。
スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
週末の選挙で敗れたウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)前大統領はIMFの支援を受けながら債務再編を進めてきた。
同氏は19日、民間債券保有者と基本合意に達したと明らかにしていた。
選挙期間中、ディサナヤケ氏は前政権が合意に達したIMF救済について、再交渉すると述べていた。
この発言後、IMF救済が遅れるという懸念が高まった。
ウィクラマシンハ氏もIMFとの約束を変更するようなことになれば、経済の安定に不可欠なIMF救済第4弾、約30億ドルの融資が遅れる可能性があると警告していた。
デフォルト時の国内債務と対外債務は総額830億ドルであったが、前政権はこのうち170億ドル以上を再編したとしている。
ディサナヤケ氏はIMF交渉の最前線にいた中銀総裁と財務相を留任させている。これにより、大きな変更なくIMFとの合意を守る可能性が高まった。