◎近年、ドイツを含む先進国のアルコール消費量は軒並み減少。少子高齢化や若年層の酒離れ、健康志向の高まりや景気低迷が影響している。
ドイツ南部バイエルン州ミュンヘンで21日に開幕した世界最大のビールの祭典「オクトーバーフェスト」でもノンアルコールビールが人気を集めているようだ。
フェスにビールを提供しているドイツ最古の醸造所「ヴァイエンステファン」のバイエルン事務所で責任者を務めるゾロ(Tobias Zollo)さんは22日、AP通信の取材に対し、「仕事中や昼食時はアルコールフリーのビールを味わうといい」と語った。
その味はビールに限りなく近い。カロリーはソフトドリンクや炭酸飲料より低い。
ゾロさんは「残念ながら、毎日ビールを飲むことはできない」と述べた。
近年、ドイツを含む先進国のアルコール消費量は軒並み減少。少子高齢化や若年層の酒離れ、健康志向の高まりや景気低迷が影響している。
少子高齢化に悩まされるドイツもビール離れが進む一方、ノンアルの消費量は増加傾向にある。
ドイツ通信社(dpa)によると、ヴァイエンステファンの昨年のノンアル販売量は全売上の10%を占めている。同社がノンアルを作り始めてのは1990年代。当時は全体の0.1%に満たなかった。
ゾロ氏はAPに、「オクトーバーフェストを含む、ドイツ国内のビール消費量は間違いなく減少している」と述べた。
またゾロ氏はノンアルであれば通常のビールの半分以下で飲めると強調。「おまけに二日酔いからも解放され、身体にも悪くない。一石二鳥だ」と述べた。
オクトーバーフェストは10月6日まで、ミュンヘン市中心部のテレジエンヴィーゼで開催されている。
主催者によると、18の大型テントのうち、2つを除くすべてのテントで、ノンアルも販売されているという。
値段は通常のビールと同じだが、二日酔いの心配はいらない。1リットルの価格は13.60~15.30ユーロ(2190~2460円)。今年の価格は昨年比で3.87%増となっている。
ミュンヘン在住の男性は21日、APの取材に対し、「アルコール抜きのビールを飲んでも、誰も批判しない」と語った。