◎イスラム国家でイスラム教の予言者ムハンマドや聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。
パキスタン、南部シンド州(Getty Images)

パキスタン・シンド州政府は20日、冒とく罪で逮捕状が出ていた容疑者を射殺した警察官を停職職分にした。

容疑者は今週、イスラム教の予言者ムハンマドを侮辱するコメントをSNSに投稿したと告発され、逮捕状が出ていた。

警察によると、同州ウメルコット市内をパトロールしていた警察官が18日夜、オートバイに乗った2人組に停車を求めた。

しかし、2人組はこれに応じず、パトカーに向け発砲。警察官はこれに応戦した。

2人のうち1人はバイクで逃亡。後ろに乗っていた男が被弾し死亡した。この男が冒とく罪で逮捕状が出ていた容疑者であった。

その後、この警察官が多くの人々に称賛され、花束を受け取る動画がSNSで拡散。さらに、警察署で撮影されたとみられる動画には、この警察官が首に花輪をつけ、記念撮影する様子が映っていた。

シンド州政府は両方の動画に登場する警察幹部ら数人と容疑者を射殺した警察官を停職処分にしたと声明を出した。

地元メディアによると、警察官に射殺された容疑者の遺体は家族に引き渡されたものの、家族の自宅に暴徒が押し入り、遺体を奪い、路上でガソリンをかけて焼いたという。

イスラム国家でムハンマドや聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際に冒とく罪で死刑が執行されたことはない。

パキスタンでは冒とく罪で逮捕された容疑者が暴徒にさらわれ、処刑される事件が多発している。

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