◎イスラム国家でムハンマドや聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。
2024年9月19日/パキスタン、シンド州ウメルコット、男性が射殺された現場(AP通信)

パキスタン南部シンド州の警察が武装した男2人との銃撃戦の末、冒とく罪で逮捕状が出ていた容疑者を射殺した。地元当局が19日、明らかにした。

容疑者は2日前、イスラム教の予言者ムハンマドを侮辱するコメントをSNSに投稿したと告発され、逮捕状が出ていた。

イスラム国家でムハンマドや聖典コーランを冒とくすることは死罪に当たる。パキスタンの刑法も冒とく罪の最高刑を死刑としているが、実際に冒とく罪で死刑が執行されたことはない。

パキスタンでは冒とく罪で逮捕された容疑者が暴徒にさらわれ、処刑される事件が多発している。

地元警察によると、同州ウメルコット市内をパトロールしていた警察官が18日夜、オートバイに乗った2人組に停車を求めた。

2人組はこれに応じず、パトカーに向け発砲。警察官はこれに応戦した。

2人のうち1人はバイクで逃亡。後ろに乗っていた男が冒とく罪で逮捕状が出ていた容疑者であった。

警察の報道官は声明で、「現場で対応にあたった警察官は射殺した男が冒とく罪の容疑者であることを認識していなかった」と述べた。

ウメルコット市内では18日、容疑者の処刑を求める抗議デモが行われ、数百人が刑務所に押し寄せた。地元メディアによると、暴徒は容疑者の自宅を焼き払ったという。

南西部バルチスタン州クエッタでは先週、警察官がムハンマドを冒とくしたとして逮捕され、市内の刑務所に勾留されていた容疑者を射殺した。この警察官は殺人罪で逮捕されている。

北西部カイバル・パクトゥンクワ州では6月、数百人の暴徒がペシャワルの警察署を襲撃し、コーランを冒とくしたとされる男性を拉致。石打の刑に処し、遺体に火を放って路上に放置した。

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