◎大統領府の報道官は17日、記者団に対し、「このひどい乱闘で警察官3人を含む13人が負傷し、病院に搬送された」と語った。
2024年9月17日/ボリビア、首都ラパス郊外、アルセ大統領に抗議するデモ行進(AP通信)

南米ボリビアで17日、エボ・モラレス(Evo Morales)元大統領を支持する数千人のデモ隊がアルセ(Luis Arce)大統領を支持する親政府派と衝突し、警察官を含む少なくとも13人が負傷した。

現場は首都ラパスから180キロほど離れた郊外の集落近く。モラレス派とアルセ派がにらみ合いとなり、押し合いへし合いの大乱闘に発展した。

モラレス氏は16日に放送された国営テレビのインタビューでアルセ氏を激しく非難し、支持者に対し、街頭に出て政府に抗議するよう促していた。

モラレス氏は17日、この行進を「ボリビアを救う闘争」と呼び、同氏の子分や過去に「すったもんだ」した野党の若手政治家にアルセ氏を非難するよう求めた。

2019年の選挙で4選を決めたものの、その後の大規模な抗議デモと軍の圧力に屈して辞任したモラレス氏はSNSにこう投稿した。「私はカムバックする。みんな、待っていろ!」

モラレス氏は在職中に大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。治安当局によるデモの取り締まりでは少なくとも34人が死亡した。

モラレス氏を応援するデモ行進は17日朝から始まり、当初は平和的であったが、数時間後、催涙ガス弾、石、爆竹で武装した数百人のアルセ派と対峙。決戦の火ぶたが切られた。

両陣営は機動隊が落ち着くよう促す中、激しく衝突。アルセ派の男性は敵陣地に飛び込み、モラレス氏の巨大な像に火をつけた。

これを見たモラレス派は激怒し、機動隊の催涙ガス弾が飛び交う中、パチンコを使って敵に石をぶつけながらジワジワ前進した。

しかし、アルセ派はバイクの乗った機動隊が見守る中、気力でモラレス派を押し戻し、領土を死守した。

アルセ派のリーダー格とみられる男性は拡声器で、「エボ、この裏切り者!お前の時代は終わったのだ」と吠え、喝采を浴びていた。

大統領府の報道官は17日、記者団に対し、「このひどい乱闘で警察官3人を含む13人が負傷し、病院に搬送された」と語った。

AP通信によると、モラレス派の一部はアンデスの高地までアルセ派を追いかけまわし、棒で殴ったり、地面に押し倒したりしたという。

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