◎政府は今年4月、100年の1度の歴史的な干ばつにより、全国で深刻な水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。
アフリカ南部・ジンバブエの動物保護局は16日、歴史的な干ばつによる食料不足に対処する取り組みの一環として、約200頭のアフリカゾウを殺処分すると発表した。
政府は今年4月、100年の1度の歴史的な干ばつにより、全国で深刻な水不足が発生しているとして、干ばつ非常事態を宣言した。
国連世界食糧計画(WFP)によると、ジンバブエの農家はこの干ばつで作物の大半を失ったという。この結果、来年4月までに推定760万人が深刻な食料不足に陥ると予想されている。
動物愛護団体はアフリカゾウの殺処分計画を批判。アフリカゾウは人間が食べない草を処理してくれるため、殺処分しても食料不足の解消にはつながらないと主張している。
別の専門家はアフリカゾウを「観光資源」と呼び、それを見るために国立公園や保護区を訪れる人がいることから、個体数を減らすべきではないと指摘している。
動物保護局によると、この殺処分は国立公園の混雑緩和にも役立つという。同国には現在、8万4000頭以上のアフリカゾウが生息しており、定員を数千頭上回っているという。
隣国ナミビアも過去最悪の干ばつに見舞われ、アフリカゾウ83頭を含む数百頭の動物を殺処分したばかりである。ナミビア当局は今月初め、さらに数百頭の殺処分を計画していると明らかにした。