◎事件後、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)がウェブサイトに犯行声明を掲載した。
マリの首都バマコの陸軍施設にイスラム過激派が押し入り、銃撃戦が発生、近くの空港が一時閉鎖された。軍政が17日、明らかにした。
軍政の報道官は国営テレビの取材に対し、「武装勢力がバマコの士官学校に潜入しようとしたため、軍による掃討作戦を展開し、テロリストを無力化した」と語った。死傷者の数には言及していない。
また報道官は「この掃討作戦で人的・物的損害が出た」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AP通信は治安当局者の話しとして、「少なくとも15人の容疑者が逮捕された」と伝えている。
事件後、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力JNIM(Jama'at Nusrat al-Islam wal-Muslimin)がウェブサイトに犯行声明を掲載した。
JNIMは政府軍に致命的な人的・物的損失を与え、航空機を破壊したと主張している。
襲撃直後、当局は近くの空港を閉鎖。その日のうちに運用を再開した。
バマコの在米国大使館は職員と米国市民に対し、外出を控えるよう促した。
マリの軍指導部は2020年に政権を掌握、翌年クーデターを起こした。それ以来、同国と西側諸国の関係はぎくしゃくしている。
西アフリカのマリ、ブルキナファソ、ニジェールは10年以上にわたってサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦ってきた。
この3カ国の軍政は旧宗主国フランスや米国との関係を断ち、ロシアに急接近。マリ軍政はロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結び、民間人を巻き込みながら過激派を掃討している。
しかし、マリ軍政は過激派の抑え込みに苦労しており、今年7月にはワグネルとみられるロシアの傭兵少なくとも50人がJNIMの待ち伏せにより殺害されている。