◎ハイチはここ数十年の慢性的な政情不安、独裁政権、自然災害などにより、アメリカ大陸で最も貧しい国のひとつとなっている。2010年の大地震では20万人以上が死亡、その復興が進まぬ中、21年に地震が発生した。
ハイチ、首都ポルトープランス、政府とギャングの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

中米ハイチの首都ポルトープランスで新たなギャング間抗争が勃発し、少なくとも1人が死亡、複数人が負傷した。地元当局が13日、明らかにした。

それによると、現場はポルトープランス郊外のスラム街にあるサッカー場。11日に行われたアマチュアリーグの試合中に銃撃戦が始まったという。

地元ラジオ局の取材に応じた男性は「バンダナを巻いたギャングの戦闘員がPKの判定に激怒し、相手チームを応援するギャングに向けた銃を乱射、銃撃戦になった」と語った。

この銃撃戦でギャングの幹部とされる男が死亡、複数人が負傷した。

地元メディアによると、このサッカー場周辺では11日の試合以降、散発的に銃撃戦が発生し、爆発音も確認されたという。

ハイチ国家警察はコメントを出しておらず、死傷者の数は増える可能性がある。

AP通信は目撃者などの話しとして、「少なくとも2人が殺害されたという情報があり、うち1人は同国最大の武装ギャング、G9&Familyと同盟関係にあるギャングの幹部とみられる」と伝えている。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年半ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

ポルトープランスの80%がギャングの支配下に置かれ、市内の学校、企業、公共機関はほぼ全て閉鎖。2つの主要刑務所もギャングの攻撃で崩壊し、4000人以上の受刑者が脱獄した。

国連によると、今年1~5月までに全土で殺害された市民は3200人以上。この1年半で50万人以上が住居を失ったと推定されている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク