◎決壊したのは紅海沿岸の都市ポートスーダンの北方約40キロに位置するダム。ポートスーダンに飲料水を供給していた。
スーダン東部のダムが大雨により決壊し、少なくとも4人が死亡、数十人が行方不明になっている。地元メディアが26日に報じた。
それによると、決壊したのは紅海沿岸の都市ポートスーダンの北方約40キロに位置するダム。ポートスーダンに飲料水を供給していたという。
ダムは25日に決壊したとみられ、下流の集落に水が押し寄せ、多くの家屋が流されたり、浸水したと伝えられている。
国営メディアは4人の死亡が確認され、数十人が行方不明になっていると伝え、その後、地元当局者の話しとして、「死者は少なくとも60人にのぼる」と報じた。
被害の全容は明らかになっておらず、陸軍が調査しているようだ。
地元のニュースサイトは陸軍当局者の話しを引用し、「100人以上が行方不明になり、ダムの下流で生活する多くの住民が高台に避難している」と報じた。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、数万人が死傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が確認されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
また同国では数週間前から広い範囲で大雨が続き、悲惨な状況に拍車をかけている。
軍政の指導者であるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍は25日、ダム決壊で浸水した地域を視察し、被災者と面会した。
軍がSNSに投稿した動画には泥だらけの集落、浸水した掘っ立て小屋、逆さまになったトラックなどが映っていた。
米国やサウジなどが仲介する和平交渉はスイス・ジュネーブで8月14~23日まで行われた。RSFは代表団を派遣したが、軍政は出席を見送った。