◎昨年ダリエンを通過した移民は52万人を超え、22年の2倍以上に急増。過去最高を更新した。
2022年10月15日/コロンビアとパナマの国境「ダリエン地峡」を進む移民(Fernando Vergara/AP通信)

パナマの国境警備隊は7日、同国とコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」を通じて中国人移民を不法入国させた疑いで、人身売買組織の構成員15人を逮捕したと明らかにした。

それによると、警察と国境警備隊の捜査チームはこの組織が運営する複数の拠点を家宅捜索し、11台の車両、スマートフォン数十台、ライフル銃、現金などを押収。15人を逮捕したという。

警察は逮捕した15人の身元と組織の詳細を明らかにしていない。

昨年ダリエンを通過した移民は52万人を超え、22年の2倍以上に急増。過去最高を更新した。

そこを通過した移民は他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。

そのほとんどがベネズエラ人であり、中国人は国籍別で4番目の多さとなっている。

今年ダリエンを通ってパナマに入国した移民は先月中旬時点で約21万2000人。パナマ政府の取り締まり強化により、減少の兆しを見せている。

先月就任したムリノ(José Raúl Mulino)大統領は米政府の支援を得て、ダリエンの移民を減らすと公約に掲げている。

国境警備隊はこの方針に基づき、ダリエンのルートの一部を塞ぎ、移民をひとつのポイントに誘導するため、約5キロの範囲に有刺鉄線を設置した。

米政府はパナマで拘束された移民を自国に送り届ける送還費用を負担することで合意している。

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