◎イエメンの雨季は3月下旬から始まり、7月から8月中旬にかけて雨が強まる。
2022年8月1日/イエメン、首都サヌアの大通り(Yahya-Arhab/EPA通信)

イエメン西部ホデイダで大雨による洪水が発生し、少なくとも30人が死亡、数百人が避難を余儀なくされた。地元メディアが7日に報じた。

親イラン武装組織フーシ派が運営する国営メディアによると、ここ数日の大雨と洪水により、500棟以上の家屋で被害が確認され、少なくとも5人が行方不明になっているという。

フーシ派はコメントを出していない。

イエメンの雨季は3月下旬から始まり、7月から8月中旬にかけて雨が強まる。

ホダイデを含む西部と南西部地域は今週、広い範囲で雨が続き、レンガ造りの家屋数百戸が全壊した。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のイエメン担当官は7日、南西部タイズで2日に発生した洪水により15人が死亡、農地が耕作不能になり、多くの家屋やインフラが損壊したと明らかにした。

国連人口基金(UNFPA)は今週、X(旧ツイッター)に声明を投稿。ホデイダやタイズなど、少なくとも4地域に住む2万8000人以上が大雨の影響を受けていると書き込んでいた。

それによると、UNFPAのイエメン事務所が被災地に要員を派遣し、大雨の影響を受けた地区を調査した結果、緊急支援を必要とする世帯は4100世帯に達したという。

首都サヌアを含む同国の大部分を支配するフーシ派は2014年、政府を亡命に追い込み、サウジ連合軍との全面戦争を開始した。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。専門家が「地獄」と評す飢饉を引き起こし、この10年で15~16万人が死亡、1000~2000万人が飢餓に直面している。

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