◎10人は徒歩で河川を渡る途中、押し流され、その後、先住民が数十キロ先の下流で遺体を発見した。
パナマとコロンビアの間にある危険な密林地帯「ダリエン地峡(Darien Gap)」で10人の移民が増水した河川を渡ろうとして溺死した。パナマ当局が24日、明らかにした。
それによると、10人は徒歩で河川を渡る途中、押し流され、その後、先住民が数十キロ先の下流で遺体を発見したという。
AP通信は当局者の話しとして、「10人は7月16日に流されたとみられるが、目撃者の証言が曖昧で、ハッキリしたことは分かっていない」と伝えている。
当局によると、遺体は一部腐敗していたという。身元と国籍は明らかになっていない。
ダリエンを渡る移民の半数以上がベネズエラ人である。
昨年ダリエンを通過した移民は52万人超。22年の2倍以上に急増し、過去最高を更新した。
そこを通過した移民は他の中米諸国とメキシコを巻き込んで米南部国境を目指す。米当局が昨年拘束した移民は250万人に達した。
今年ダリエンを通ってパナマに入国した移民は先週時点で約21万2000人となっている。
パナマは現在雨季の真っただ中である。地元メディアによると、ダリエンには大小さまざまな河川がある。
今月就任したムリノ(José Raúl Mulino)大統領は米政府の支援を得て、ダリエンの移民を減らすと公約している。
パナマの国境警備隊によると、今年ダリエンの川で死亡した移民は今回の事故を含めて39人に達したという。昨年は84人の死亡が確認されている。