◎与党・公正発展党(AKP)によると、同国には推定400万匹の野良犬がいる。
トルコの政府与党が野良犬の数を管理する法案を国会に提出した。現地メディアが12日に報じた。
動物愛護団体は政府与党が野良犬を狭いシェルターに閉じ込め、去勢し、最悪の場合、殺処分しようとしていると非難している。
この法案は野良犬を守りたい動物愛護活動家と、野良犬から街を守りたい活動家を対立させている。
与党・公正発展党(AKP)によると、同国には推定400万匹の野良犬がいる。最大都市イスタンブールや首都アンカラでも野良犬が何食わぬ顔で市内を闊歩し、路地で寝泊まりしている。
AKPは野良犬を一網打尽にし、保護施設に収容し、30日以内に引き取り手がない場合は安楽死させることも考えていた。
この案は法案に含まれなかった。動物愛護活動家はこれを「ジェノサイド(大量殺戮)」と呼び、法案自体を破棄するよう求めている。
AKPの報道官は記者団に対し、「野良犬を路地から排除し、施設に収容し、そこで去勢・避妊手術を施すことになるだろう」と語った。
また報道官は「狂犬病を拡散させる恐れがある攻撃的な犬、社会復帰が難しい犬は安楽死させることになる」と述べた。
AKPは国会で多数派を占めている。国営アナトリア通信によると、法案の審議時期は未定。
すべての野良犬を排除するよう求めている団体「安全な町と生存権を守る会」が最近公表したレポートによると、2022年以降、65人が野良犬の攻撃で死亡したという。
政府は今年初め、アンカラで子供が野良犬に襲われ重傷を負ったことを受け、この問題に対処すると約束していた。