◎どの政党も過半数を獲得できず、左派の動きに注目が集まっている。
2024年7月7日/フランス、首都パリ、左派連合「人民戦線」の支持者たち(Getty-Images/AFP通信)

フランス極右「国民連合(RN)」が7日の国民議会(下院、定数577)選でまさかの逆転サヨナラ負けを喫し、政府与党と左派を激しく罵った。

開票作業は続いており、公共放送が独自にまとめたデータによると、左派系4党から成る連合「新人民戦線(緑の党、社会党、共産党、不屈のフランス)」が170~190議席を獲得し、最大勢力になる見通し。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領率いる与党連合は150~160議席。女帝ルペン(Marine Le Pen)議員率いるRNは当初の予想を大幅に下回り、130~145議席にとどまりそうだ。

左派とマクロン連合は先月末の第1回投票でRNの単独過半数が現実味を帯びたことを受け、タッグを組み、RN候補と決選投票となった地区で候補を一本化。ルペン包囲網を形成し、一発逆転に賭けた。

RNは第1回投票の勢いのまま決選投票も制すと予想されていたが、連合軍に屈した形だ。

どの政党も過半数を獲得できず、左派の動きに注目が集まっている。

RNのバルデラ(Jordan Bardella)党首は7日、「不自然な同盟が我々の政権浮上を妨げた」と激しく非難した。

わずか7カ月前に就任したマクロン連合のアタル(Gabriel Attal)首相は午前中に辞表を提出すると発表。その際、「政府与党が当初予想されていた議席の3倍を獲得する勢いだ」と喜んだ。

一方、左派の総大将である「不屈のフランス」のメランション(Jean-Luc Mélenchon)氏は7日、この結果を受け、「マクロン氏は我々に組閣を要請する義務がある」と主張した。

地元メディアはこの結果について、専門家の話しを引用し、「第1回投票でマクロンに三下り半を突きつけた多くの有権者が、RN政権の誕生を阻止するためだけに、マクロン・メランション連合に1票を投じた」と報じている。

パリ中心部ではRNの敗北を祝う有権者が花火を打ち上げ、祝杯をあげた。

バルデラ氏は何百万人もの有権者が「不誠実で不自然な同盟」を非難していると主張。「我々は権力を欲しているのではない。インフレに悩まされている国民を助けたいだけだ」と述べた。

RNの別の議員はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「マクロン軍団が左派の勝利を後押しし、国民を泥沼に引きずり込もうとしている」と書き込んだ。

結果は8日中に確定する見通しだ。

スポンサーリンク