◎クルド人女性のアミニさんは2年前、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。
2022年9月20日/イラン、首都テヘラン中心部、アミニさんの写真を掲げる女性(Getty Images/AFP通信)

イラン当局が2年前のヒジャブ抗議デモを支持し、指導部を批判したとされる弁護士を逮捕した。国営イラン通信(IRNA)が7日に報じた。

クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんは2年前、ヒジャブ(イスラム教のスカーフ)を正しく着用していないという理由で道徳察官に暴行を受け死亡した。

アミニさんの死を巡る抗議デモは全国に拡大。治安部隊の取り締まりにより500人以上が死亡、2万人以上が逮捕された。

IRNAによると、逮捕されたのは地元の人権派弁護士であるモフセン(Mohsen Borhani)氏。同氏は以前、別の裁判で有罪判決を受けたとされるが、詳細は不明である。

モフセン氏はアミニさんの死をめぐる抗議デモで指導部を率直に批判し、SNSで人気を博した。国連調査団は道徳警察の暴力がアミニさんの死を招いたと結論付けている。

先週の大統領選決選投票で勝利した改革派のペゼシュキアン(Masoud Pezeshkian)氏はヒジャブやブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用強制に反対している。

ペゼシュキアン氏は長年にわたる米国の制裁で経済が低迷する中、ヒジャブルールを緩和したり、対話を重視して西側諸国との関係改善を目指すと約束した。

しかし、最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師を含む強硬派がペゼシュキアン氏の目標を受け入れるかどうかは不明だ。

イランの大統領は主に外交を担当する。三権の長は最高指導者のハメネイ師であり、反体制派は大統領を最高指導者の「報道官」「傀儡」と呼んでいる。

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