◎救助隊は全国各地から集まった重機や救援物資を運びこもうとしているが、土砂で寸断された道路から現場までは150~200メートルほど離れており、搬入に苦労している。
パプアニューギニアのマラペ(James Marape)首相が5月31日、大規模な地滑りが発生したエンガ州郊外の集落を視察した。
マラペ氏は犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、「米国、中国、フランス、その他多くの同盟国の国家元首が被災地の住民を心配している」と記者団に語った。
地滑りは首都ポートモレスビーの北西約600キロに位置する内陸部のエンガ州で24日未明に発生。複数の集落が巻き込まれたとみられる。
現地メディアによると、最初の大型掘削機が26日に現場近くの道路に到着したものの、新たな地滑りが発生する恐れがあるとして、現場に投入できずにいるという。
中央政府はこの地滑りで2000人以上の住民が生き埋めになったと推定している。国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は死者数を670人超と見積もっていた。
救助隊は全国各地から集まった重機や救援物資を運びこもうとしているが、土砂で寸断された道路から現場までは150~200メートルほど離れており、搬入に苦労している。
政府は手作業で土砂を取り除いている住民を支援するため、今週中に最大10台の大型掘削機やブルドーザーを現場に投入したいと述べていた。しかし、救助作業は思うように進まず、収容できた遺体は7人にとどまっている。
国連は集落の住民約1650人が避難を余儀なくされたと報告している。
マラペ氏によると、ここ数日の地質調査で、この地域の地盤は地滑りが発生した箇所を含め、不安定であることが判明したという。
マラペ氏は「そのため、重機を投入できずにいる」と語った。「重機を投入する前に、このエリアの地盤を完全に評価する必要があります...」
エンガ州知事室は31日、現場から30キロほど離れた鉱山などを所有する地権者に対し、被災者の立ち入りを拒否しないよう要請した。
この鉱山は地滑りによって孤立しており、道路に流れ込んだ土砂の撤去を支援するために重機を提供している。