◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン西部ダルフール地方で軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による戦闘が激化し、この数日で少なくとも27人が死亡、130人が負傷した。国連人道問題調整事務所(OCHA)が15日、明らかにした。
それによると、北ダルフール州の州都エル・ファーシルで激しい戦闘が続き、10日午後から週末にかけて戦闘機による空爆や砲撃が繰り返されたという。
OCHAのグリフィス(Martin Griffiths)事務次長は声明で、「新たな戦闘により、少なくとも27人が死亡、130人が負傷した」と明らかにした。
またグリフィス氏は「エル・ファーシルの市民、推定850人が住居を失い、その他大勢が南部に避難している」と述べた。
米政府はRSFとその関連民兵が軍政の支配下にあるエル・ファーシルに攻撃を仕掛け、多数の死傷者が出る恐れがあると警告していた。
グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長は15日、エル・ファーシルでの戦闘激化に深刻な懸念を表明し、双方に武器を置くよう求めた。
またグテレス氏は「人口密集地で重火器が使用された結果、数十人の民間人が犠牲となり、多くのインフラが破壊され、大勢が移転を余儀なくされている」と述べた。
現地メディアによると、約80万人がエル・ファーシル市内にとどまっているものとみられる。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。
エル・ファーシルには国連や国際NGOのキャンプがあり、人道支援の拠点のひとつになってきた。
国連は内戦の被害について、この1年で1万4000人以上が死亡し、数千人の女性や子供がレイプされたり、虐待を受けたと推定している。