◎ゲレロ州はメキシコで最も危険な地域のひとつであり、複数の麻薬カルテルが10年以上前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。
メキシコ南部ゲレロ州チルパンシンゴで8日、怒れるデモ隊が市庁舎ビルなどに火を放ち、駐車場の車少なくとも12台が全焼した。
デモ隊は2014年の学生教師失踪事件に抗議し、一部の暴徒が機動隊と衝突。乱闘に発展した。
当局はこの失踪事件に関与したとして、現職の陸軍兵士らを逮捕・起訴している。
兵士らは2014年9月、ゲレロ州イグアラ市内で学生と教師43人を拉致。地元の麻薬カルテルに引き渡したとされる。43人は行方不明のままである。
この失踪事件に抗議するデモは先月も暴力に発展。学生1人が死亡している。
ゲレロ州政府はSNSに声明を投稿。「暴力行為を強く非難する」と書き込んだ。
また同州政府は「先月の乱闘で学生の死に関与したとされる警察官の取り調べが進行中である」と強調した。
地元テレビ局は市庁舎前の駐車場で数台の車が炎上する様子を繰り返し報じている。市庁舎からも黒煙があがり、消防が消火に当たった。
この暴動に関与したとみられるチルパンシンゴの教職員や学生らで構成されるデモ隊はバスやトラックをカージャックするなど、暴力的な抗議デモで知られている。
ゲレロ州は同国で最も危険な地域のひとつであり、複数の麻薬カルテルが10年以上前から血生臭い縄張り争いを繰り広げている。