◎チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
チャド、首都ンジャメナの独立記念碑(Sunday Alamba/AP通信)

アフリカ中部・チャドで5日、大統領選の選挙運動がスタートした。しかし、選挙管理当局はその開始日を4月14日としている。

首都ンジャメナの通りには告示日前にもかかわらず、暫定政権を率いるデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領や野党候補のポスター・看板が多数掲示されている。

大統領選の投票日は5月6日、即日開票される予定だ。

チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。

野党候補たちは公正な競争の場がないことに不満を表明している。

ンジャメナの通りには「私に投票しなさい」「私はこの候補に投票します」などと書かれたポスターがあちこちに貼り付けられている。

ある野党候補は地元テレビ局の取材に対し、「厳しい選挙戦になるだろう」と語った。「選挙運動は12年以上前から始まっていました...」

それによると、暫定政権の支配下に置かれる選管当局の指示に従う候補はひとりもいないという。

選管当局はその後、デビ氏を含む候補にルールを守るよう求める声明を出した。

イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。

デビ氏は民政復帰を約束したものの、野党の猛批判をものともせず、移行期間を2年延長。選管は今年2月、待ちに待った大統領選を5月6日に行うと発表した。

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