◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
中米ハイチの武装ギャングが首都ポルトープランスの国際空港に攻撃を仕掛け、警察と衝突した。現地メディアが5日に報じた。
それによると、重武装したギャングの戦闘員数十人が空港のフェンスを突破し、機動隊に襲いかかったという。
AP通信は現場で対応に当たった警察官の話しとして、「狂ったギャングテロリストが自動小銃や手榴弾で攻撃を仕掛けてきたが、何とか撃退した」と伝えている。
銃撃戦は2時間ほど続き、機動隊がギャングを撃退。報道によると、破壊されたフェンス近くに数人の遺体が放置されていたという。
この銃撃戦で警察官少なくとも1人が死亡、数十人が負傷したとみられる。
襲撃時、空港は閉鎖されており、乗客もおらず、駐機中の飛行機もなかったが、空港職員が避難を余儀なくされた。
報道によると、同港の再開時期は不明。最後まで運航を継続していた米国の航空会社も全ての便をキャンセルした。
空港近くの警察署も4日に破壊された。2月28日以来、ギャングの支配下に置かれた警察署は数十に達した。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から同国最大の武装ギャング「G9&Family」を含む複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
ポルトープランスにある2つの大きな刑務所は2日にギャングの攻撃を受け、数千人の受刑者が脱獄した。
中央政府は3日に非常事態を宣言。夜間外出禁止令を発出した。
国連PKOを率いるケニアを訪問中のアンリ(Ariel Henry)首相は帰国できずにいる。
アンリ氏は先週末にルト(William Ruto)大統領と会談。ケニアの警察官約1000人をハイチに派遣する協定に署名した。
しかし、ケニアの高等裁判所は先月末、「安保理の決定に基づきハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定。この裁判は現在、最高裁で争われている。