◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
カリブ海諸国の首脳らが25日、ハイチのアンリ(Ariel Henry)首相と会談し、同国のギャング暴力などについて話し合った。
バハマ外務省の報道官はAP通信の取材に対し、「カリブ海諸国を含む国際社会はハイチへの支援を強化したいと考えているが、ハイチの野党やその他の人権団体がアンリ政権への支援に反対している」と語った。
また報道官は「アンリ氏が辞任または解任された場合、政府が機能を維持できるか疑問に思っている」と懸念を示した。
アンリ氏は声明で、「首相を解任したい勢力は権力を手中に収めたいと考えているが、何も起こらない」と強調した。
ハイチでは今月初め頃からアンリ氏の辞任を要求するデモが各地で行われている。その一部が暴動に発展し、ギャング間抗争に拍車をかける事態となった。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
報道によると、カリブ海諸国の首脳らはケニア政府が主導する国連PKOのハイチ派遣を後押しするため、PKOへの参加を念頭に協議する予定である。
ジャマイカ、バハマ、ベリーズ、ブルンジ、チャド、セネガルなどの国々がPKOへの参加を表明している。
しかし、ケニアの高等裁判所は先月末、「国連安全保障理事会の決定に基づきハイチにケニアの警察官を派遣することは違憲である」と裁定した。この裁判は現在、最高裁で争われている。