◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ハイチの首都ポルトープランスで警察と地元民兵による銃撃戦が発生し、少なくとも4人が死亡した。現地メディアが7日に報じた。
ポルトープランスの中心部ではアンリ(Ariel Henry)首相の辞任を求めるデモが3日連続で行われ、複数の地区で暴動に発展した。
AP通信によると、ポルトープランスのスラム街で活動する民兵と機動隊が衝突。銃撃戦となり、民兵の戦闘員少なくとも4人が死亡したという。
それ以上の詳細は明らかになっておらず、ハイチ国家警察もコメントを出していない。
APの取材に応じた目撃者は「環境保護団体を名乗る民兵は警察が武器を捨てるよう求めた後、発砲した」と語った。
この民兵はギャングの暴力に抗議する市民が立ち上げたとされ、最近北部地域でも警察と衝突したと伝えられている。
国家警察はコメントを出していないが、APはこの事件に詳しい警察関係者の話しとして、「機動隊が現場で4人を射殺したことは事実である」と報じた。
それによると、機動隊は民兵のトラックを押収。そのフロントガラスに銃弾の跡があったという。
ポルトープランスの他の地区でも衝突が報告されている。当局は催涙ガスや実弾を使ってデモ隊を解散させた。
ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
ポルトープランスでは1年ほど前から複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。
国連安保理は昨年10月、ハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認したものの、ケニアの高等裁判所は先月末、安保理の決定に基づきハイチに「警察官」を派遣することは違憲であると裁定した。