◎デモ隊はポルトープランスなど、複数の都市で集会やデモ行進を開始し、一部の政府機関、学校、民間企業などが略奪被害に遭った。
ハイチ、首都ポルトープランス、インフレとギャングの暴力に抗議するデモ(Getty Images)

ハイチの反政府指導者フィリップ(Guy Philippe)氏を支持する市民数千人が首都プルトープランスなどで抗議デモを開始し、アンリ(Ariel Henry)首相に辞任を要求した。地元メディアが16日に報じた。

それによると、デモ隊はポルトープランスなど、複数の都市で集会やデモ行進を開始し、一部の政府機関、学校、民間企業などが略奪被害に遭ったという。

多くの都市で数百人規模の集会が開かれ、「アンリはいらない」「国連軍はギャングを掃討せよ」などとシュプレヒコールを上げた。

フィリップ氏はマネーロンダリング(資金洗浄)などに関与した罪で逮捕・起訴され、米国で9年間服役。先月出所し、ハイチに帰国した。

フィリップ氏は支持者に宛てたメッセージで、「クーデターは望んでおらず、貧困とギャングによる暴力が蔓延するハイチを変革したいと考えている」と語った。

「私が目指す革命は人民のためのものだ。私は警察に対し、国民を守るという義務を果たすよう求めたい...」

フィリップ氏は2004年の反乱を指揮し、警察署を襲撃した首謀者として知られている。

ハイチの治安は2021年のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

国連と地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

政府はギャングの暴力に圧倒され、国連安保理にPKOの派遣を要請。理事会は昨年10月、ケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認した。

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