◎アフガンと国境を接するバルチスタン州では四半世紀ほど前から国軍と分離主義勢力による紛争が続いている。
パキスタン南西部バルチスタン州で爆弾テロがあり、陸軍兵士5人が死亡した。警察当局が14日、明らかにした。
同州では来月、州議会選が行われる予定だ。
警察によると、陸軍の部隊は13日、バルチスタン州クエッタ近郊の地区で対テロ作戦に当たっている最中、即席爆発装置(IED)による攻撃を受けたという。
陸軍は声明で、「バルチスタン解放軍(BLA)とつながりのある武装勢力との銃撃戦でテロリスト3人を無力化した」と明らかにした。
また陸軍は「この地域で活動するBLAなどのテロ組織を掃討するための作戦を継続中である」と強調した。
警察によると、IEDの爆発で死亡した兵士5人の年齢は23~25歳。犯行声明を出した組織は確認されていない。
陸軍は声明の中で、「我々はバルチスタンの平和、安定、発展を妨害しようとするテロリストを一掃する決意を固めている」と述べた。
首相府の報道官もX(旧ツイッター)に声明を投稿。亡くなった兵士5人に哀悼の意を表した。
一部の州議会議員は治安上の問題を理由に2月8日に予定されている議会選を延期するよう求めている。
アフガンと国境を接するバルチスタン州では四半世紀ほど前から国軍と分離主義勢力による紛争が続いている。BLAなどの反乱軍は州の資源を分配するよう中央政府に求めていたが、後に独立を求めて反乱を起こした。
中央政府はBLAをテロ組織に指定している。
パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州でも13日に治安当局と武装勢力による銃撃戦が起きたと報告されている。