◎覆面をした男はこう叫んだ。「この国は武力紛争に突入した。覚悟せよ、ノボア(大統領)」
エクアドルの港湾都市グアヤキルのテレビ局に武装集団が押し入り、爆弾と銃をかざしてノボア政権に宣戦布告した。現地メディアが9日に報じた。
武装した男たちは生放送中のTCテレビスタジオに乱入。局員を脅し、銃を乱射したとみられる。
覆面をした男はこう叫んだ。「この国は武力紛争に突入した。覚悟せよ、ノボア(大統領)」
別の男は「爆弾を起爆するぞ」と叫び、その背後から銃声のような音が聞こえた。負傷者が出たかどうかは不明である。
AP通信の取材に応じたTCテレビの担当者は「この国は狂っている」と嘆いた。「テロリストが私の頭に銃を突きつけ、床に伏せるよう命じました。私はテロリストが離れた直後に逃げ出し、スタジオから脱出しました...」
担当者は「武装ギャング、麻薬カルテル、人身売買組織が警察を圧倒しており、軍隊を総動員して対処しなければこの国は破滅する」と語った。
グアヤキルでは8日、同国最大の麻薬ギャング「ロス・チョネロス」のリーダー「マシアス(Adolfo Macías)受刑者」が脱獄。ノボア(Daniel Noboa)大統領はこの事態を受け、国家非常事態を宣言し、陸軍と警察に容疑者を確保するよう命じた。
武装集団がテレビ局を襲撃した直後、ノボア氏は国内で活動する20の麻薬組織をテロ組織に指定。陸軍に国際人道法の範囲内でこれらの組織を「無力化」する権限を与える政令を公布した。
国家警察はその後、スタジオに押し入った侵入者全員を逮捕したと発表。銃と爆発物を押収したとしている。
地元メディアは13人が逮捕されたと伝えているが、組織名には言及していない。