◎刑事や民事事件で告発されたハイチの高官が逮捕状を踏みにじり、何の処罰も受けないのはよくあることだ。
ハイチ、首都ポルトープランスで行われた抗議デモ(Getty Images/AFP通信)

中米ハイチの裁判所が複数の汚職に関与したとされる元大統領を含む30人以上の政治家の逮捕状を発行した。現地メディアが8日に報じた。

それによると、逮捕状は5日に発行され、翌日ソーシャルメディアに流出した。

大統領経験者2人、首相経験者4人などが警察に出頭するよう求められている。これには2021年7月に暗殺されたモイーズ(Jovenel Moise)大統領の下で働いていたジョゼフ(Claude Joseph)元首相も含まれる。

地元メディアによると、一部の政治家は疑惑を否定するコメントを発表したという。

一連の汚職疑惑で逮捕された者はひとりもおらず、捜査が進展する見通しも立っていない。

裁判所は告発された者たちに面会を求めているが、応じたのはジョゼフ氏のみである。

刑事や民事事件で告発されたハイチの高官が逮捕状を踏みにじり、何の処罰も受けないのはよくあることだ。高官が汚職で起訴されることは滅多にない。

ハイチの治安は2021年のモイーズ氏暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

首都ポルトープランスでは1年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

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