◎ヨルダンを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売に悩まされている。
ヨルダン軍は6日、シリア国境付近で麻薬・武器密売組織を摘発し、5人を殺害、15人を逮捕したと発表した。
それによると、密売組織が陸軍兵士に向けて発砲したため、銃撃戦になったという。
ヨルダンを含む多くの湾岸諸国がシリアのアサド政権が主導するカプタゴン(アンフェタミン系薬物)の密売に悩まされている。
カプタゴンは「貧乏人のコカイン」と呼ばれ、湾岸諸国や欧州などで人気を集めている。シリア内戦でもカプタゴンが出回り、多くの戦闘員が恐怖心を薄れさせるために使用したとされる。
シリアのカプタゴン産業の規模は数十億ドルと推定されている。
ヨルダン軍は声明の中で、「密売組織の活動頻度は増加傾向にあり、国境付近で活動を活発化させている」と説明した。
国営テレビも当局者の話しとして、「密売組織はこの数日、力づくでシリア国境を越えようとしている」と伝えている。
ヨルダン軍はこの摘発でカプタゴン錠剤、ハシシ(大麻製品)、武器を押収したとしている。
アサド政権の支援を受ける密売業者はカプタゴンを主にサウジ、カタール、ヨルダンなどに密輸している。
米国、EU、イギリスもアサド(Bashar Assad)大統領とその家族、そしてレバノンの過激派ヒズボラを含むイランの同盟国が麻薬密売を推進していると非難。関係者や組織に制裁を科している。