◎水や土地を巡るフラニ人と地元のベロム人による部族間抗争は数十年前から続いており、収束の目途は全く立っていない。
ナイジェリア中部プラトー州で正体不明の武装集団が複数の集落を襲撃し、少なくとも140人を虐殺した。地元当局が26日、明らかにした。
それによると、事件は23日と24日に発生。少なくとも17の集落が武装集団の攻撃を受け、壊滅したという。
地元ラジオ局はプラトー州知事の広報担当の話しとして、「フラニ人の元遊牧民で構成される武装集団が市民少なくとも140人をナタや斧で切り刻んだ」と伝えている。
また広報担当は「被害の全容は明らかになっておらず、犠牲者の数は劇的に増加する可能性がある」と述べ、フラニ人を非難した。「狂ったジハード主義者たちは集落を焼き払い、女性や子供も処刑しました...」
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのナイジェリア事務所はAP通信の取材に対し、「プラトー州のキリスト教徒が多数派を占める2つの自治体で140人の死亡が確認された」と明らかにした。
水や土地を巡るフラニ人と地元のベロム人による部族間抗争は数十年前から続いており、収束の目途は全く立っていない。
APは目撃者の話しとして、「治安当局はキリスト教系住民の通報に懐疑的な見方を示し、襲撃が始まってから12時間経っても誰一人助けにこなかった」と伝えている。
ナイジェリアの北中部ではイスラム過激派組織ボコ・ハラムを含む多くの武装勢力が活動している。フラニ人の元遊牧民はこれらの過激派と強調攻撃を仕掛けることがある。
地元メディアによると、犯行声明を出した組織は確認されていない。