◎新しき力の党首らは公務執行妨害、扇動罪、器物破損などの罪に問われている。
イタリア・ローマの地方裁判所は20日、ネオ・ファシズム政党「新しき力(Forza Nuova)」の党首らに対し、2021年10月の反コロナワクチンデモ中に労働組合事務所を襲撃した罪で実刑判決を言い渡した。
新しき力の党首らは公務執行妨害、扇動罪、器物破損などの罪に問われている。
ローマ地裁は党首らに懲役8年~8年7カ月の実刑を言い渡した。
党首は容疑を否認し、「抗議デモ平和的で楽しかった」と主張。検察は現場で対応に当たった警察官や組合関係者の証言や証拠を提出した。
この反ワクチン集会はローマのポポロ広場で開かれ、約1万人が参加したとみられる。
新しき力の党首らに扇動された数百人はイタリア労働総同盟(CGIL)の本部に突撃。事務所内を荒らしまわり、機動隊と衝突した。
CGILの書記長は当時の声明で、「新しき力はムッソリーニ(Benito Mussolini)を敬愛するファシストである」と糾弾。ムッソリーニ独裁政権が100年前に行った労働組合に対する弾圧との類似点を指摘した。