◎マリを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある複数の組織が活動している。
西アフリカ・マリ中部で公共バスがイスラム過激派の攻撃を受け、ドゴン人の男性約30人が人質に取られた。地元当局が10日、明らかにした。
それによると、事件は今週初めに発生。イスラム過激派が公共バス数台に襲いかかり、約40人を誘拐したという。過激派はその後、女性のみ解放した。
犯行声明を出した組織は確認されていない。
マリを含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)とつながりのある複数の組織が活動している。
これらの過激派は公共交通機関を標的にすることで知られている。
ドゴン人のコミュニティはマリ軍政に敵対する勢力を組織的に攻撃しているとされる。
2021年にも同様の事件があり、中部の同じ地域で過激派が市民数十人を人質に取った。地元メディアによると、人質は家族が身代金を支払った後に解放されたという。
マリの過激派はフランス主導の連合軍が2013年に北部地域で軍事作戦を始めた後、中央部で活動を活発化させた。
2020年のクーデターで軍政が発足して以来、治安悪化への懸念は高まるばかりである。
政権を掌握したゴイタ(Assimi Goita)大佐は西側と距離を置き、ロシアの民間軍事会社ワグネルと契約を結んだ。
フランス軍は昨年、10年に及ぶ過激派との戦いの末、マリから完全撤退。そして今、国連マリ多次元統合安定化派遣団(MINUSMA)も軍政の要請を受け、撤退の途上にある。