◎選挙に正式に立候補できるのは最高指導者ハメネイ師が任命した12人の聖職者で構成される評議会の承認を得た人のみである。
来年予定されているイラン議会選(一院制、定数290)の立候補最終受け付けが始まった。国営イラン通信(IRNA)が19日に報じた。
選挙は来年3月1日に予定されている。
IRNAによると、8月の第1回受け付けでは4万9000人近くが書類を提出したという。
これは前回選挙の3倍以上であり、過去最高を大幅に更新したようだ。前回2020年選挙の投票率は1979年のイスラム革命以来最低となる42%にどどまった。
立候補を希望する人は1週間以内にオンラインでプロフィールを作成する必要がある。
選挙に正式に立候補できるのは最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師が任命した12人の聖職者で構成される評議会の承認を得た人のみである。
立候補を希望する人の中には著名な元政治家や改革派が含まれるとみられるが、詳細は不明である。届け出が増えたのはオンライン登録が容易になったためとみられる。
女性の届け出は全体の14%で、2020年の12%からわずかに増加した。国会の現職議員約250人も登録を完了している。
イランはトランプ(Donald Trump)前米大統領によるイラン核合意からの離脱とその後の経済制裁により、深刻な経済危機に陥っている。
通貨急落により、市民の貯金は紙くずになり、経済制裁の影響でインフレが加速。多くの市民が物価高騰に直面し、政府はあらゆる基本的サービスの維持に苦労している。
アナリストたちは来年の議会選とその後の展望について、「選挙は形式的なものに過ぎず、国会はこれからもハメネイ師の承認を得た親イラン・親イスラム議員たちが支配する」と指摘している。
同国の最終意思決定者はハメネイ師である。