◎両国は近いうちに大使館業務を再開することで合意した。
スーダンとイランが9日、7年ぶりに外交関係を再開することで合意した。
スーダン政府は2016年、イランのデモ隊が首都ハルツームの在サウジアラビア大使館を襲撃したことを受け、外交関係を断絶した。
サウジはその数日前、シーア派の著名な聖職者を含む46人を死刑に処していた。
サウジとイランは今年、中国の仲介を受け、外交関係を再開することで合意した。
スーダン政府は以前、サウジと緊密に連携し、隣国イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシとの戦争に部隊を派遣していた。
スーダン外務省は公式ホームページに声明を投稿。「両国は近いうちに大使館業務を再開することで合意した」と明らかにした。
両国の外相は今年7月、アゼルバイジャンの首都バクーで会談。イエメン内戦を含む中東の問題や諸課題について協議していた。
国営イラン通信(IRNA)は政府高官の話しとして、「双方は両国の成長を実現し、地域の安全と安定を確保することができる様々な分野での協力を強化することで合意した」と伝えている。
両国の和解はアラブの盟主サウジとイランの国交回復が後押ししたと考えられている。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジと米国が仲介した停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。
ハルツームでは広い範囲で市街戦が展開されているとみられる。地元の活動家などによると、RSFは民家を徴用し、国軍に待ち伏せ攻撃を仕掛けているという。
国連はこの半年で少なくとも5000人が死亡、1万2000人以上が負傷したと推定している。実際の死者数はもっと多いとみられるが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。