◎伝説のクリケット選手から政治家に転身した中露寄りのカーン被告は昨年の不信任投票で政権を追われた。
パキスタン・首都イスラマバードの地方裁判所は14日、国家機密を漏洩した罪に問われているカーン(Imran Khan、70歳)前首相の保釈請求を棄却した。現地メディアが被告の弁護士の話しとして報じた。
カーン被告は昨年、民間の集会でサイファーと呼ばれる外交機密文書の詳細を暴露したとされる。
それば米国の駐パキスタン大使とパキスタン外務省との間で交わされたものらしい。カーン被告は集会の中で、2022年4月の不信任投票に米政府が関与したと主張していた。
AP通信によると、イスラマバード地裁はカーン被告の保釈請求を棄却したものの、理由は明らかにしていないという。
APは裁判を傍聴した関係者の話しとして、「判事はジャーナリストや傍聴人などに退室を命じ、その後、請求を棄却した」と伝えている。
カーン被告の弁護団はこの決定を非難。「真実は明白であり、カーン首相は暴力団の破壊的なテロに巻き込まれ、追放されたのだ」と主張した。
イスラマバード地裁は今週、この事件におけるカーン被告の拘留期限を9月26日まで延長した。
伝説のクリケット選手から政治家に転身した中露寄りのカーン被告は昨年の不信任投票で政権を追われた。
カーン氏は追放の背後に米政府とパキスタン陸軍が関与していると主張。米政府はこの疑惑を否定している。
カーン氏はテロの扇動や法廷侮辱罪など、150件を超える罪で告発もしくは起訴されており、現在、東部パンジャブ州の刑務所に収監されている。
地元メディアはカーン被告をめぐる一連の裁判について、「与野党の対立が激化した証であり、今年後半に予定されている総選挙の結果次第で、流れが大きく変わる可能性がある」と伝えている。