◎ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。
スウェーデンの警察が首都ストックホルムの在イスラエル大使館前でトーラー(モーゼの五書)と聖書を燃やしたいという男性の抗議デモを許可した。地元メディアが14日に報じた。
それによると、このデモは15日午後に予定されているという。
イスラエル政府はスウェーデンに対し、このデモを禁じるよう求めた。
ストックホルムで先月末に行われたイスラム教の聖典コーランの写しを燃やすデモはイスラム国家の怒りを煽った。
15日のデモを申請した男性はこのコーラン焼却に抗議するため、イスラエル大使館前で平和的にトーラーと聖書を燃やしたいと主張している。
AP通信によると、ストックホルム警察は14日、このデモを許可したという。デモは現地時間午後1時から行われ、3人が参加する予定だ。
スウェーデンの憲法は公共の場でデモを行う権利を保障している。
APはストックホルム警察の声明を引用し、「我々は非暴力のデモを許可する」と伝えている。
イスラエル政府はスウェーデンにデモを中止するよう求めた。
ヘルツォグ(Isaac Herzog)大統領は声明で、「私はイスラエルの大統領として、神聖なコーランが燃やされたことを強く非難し、ユダヤ人の聖書が同じ運命にあることに心を痛めている」と述べ、スウェーデン政府に対応を求めた。
コーエン(Eli Cohen)外相はスウェーデン政府に対し、「この卑劣なデモを阻止し、トーラーと聖書を保護するよう強く求める」と公式声明を出した。
ストックホルムのコーラン焼却は同国のNATO加盟手続きを複雑にしている。今年初めには在トルコ大使館前でコーランの写しが焼き払われ、大混乱に発展した。
ジュネーブに本部を置く国連人権理事会は今週、宗教的憎悪を煽る行為を防止するよう各国に呼びかける決議案を賛成多数で承認した。
米国を含む西側諸国は厳しい措置が表現の自由を侵害する恐れがあると懸念を示し、決議案に反対した。