◎サウジとフーシ派の高官はこの数カ月、交渉による紛争の解決を目指し、協議を重ねてきた。
イエメンの大部分を実行支配するシーア派武装勢力フーシとサウジアラビアが64人の戦死者の遺骨を交換した。地元メディアが22日に報じた。
フーシ派が運営するテレビ局によると、遺骨の交換はサウジ・リビア郊外の町で21日に行われたという。
サウジは戦死したフーシ派の戦闘員58人の遺骨を。フーシ派はサウジ兵6人の遺体を引き渡した。
サウジ政府はコメントを出していない。
報道によると、フーシ派とサウジによる遺骨・遺体の交換はこれが3回目だという。両国は国連仲介の捕虜交換も何度か行っている。
イランの支援を受けるフーシ派は2014年、国連の承認を受けるイエメン政府への攻撃を開始。サウジは翌年、イエメン政府を助けるためにフーシ派への空爆作戦を開始した。
ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)前大統領を含むイエメン政府高官はフーシ派の攻撃に圧倒され南部に退避。その後サウジに亡命した。
ハディ政権の復権を目指すサウジ主導の連合軍はフーシ派の拠点を執拗に空爆。やがて紛争はサウジとイランの代理戦争に発展した。
イエメン内戦は世界最悪と呼ばれる人道危機を引き起こした。死者数は15~16万人と推定され、数百万人の子供を含む1000~2000万人が飢餓に直面している。
サウジとフーシ派の高官はこの数カ月、交渉による紛争の解決を目指し、協議を重ねてきた。
サウジとフーシ派を支援するイランが3月に外交関係を正常化させると、協議は勢いを増した。
サウジとフーシ派の関係改善に向けた取り組みは民間部門でも進んでいる。
先週にはイエメンの首都サヌアとサウジを結ぶ路線が運航を再開した。