◎この紛争により1000人近くが死亡、数千人が負傷し、140万人が避難民になったと推定されている。
米国とサウジアラビア当局は28日、スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」に停戦協定を延長するよう要請した。
軍政とRSFは先月中旬から首都ハルツームなどの支配権を巡って争っており、先週、米サウジの仲介で1週間の停戦に合意した。これは29日の現地時間午後9時45分に期限を迎える予定だ。
双方は合意以降も各地で戦闘を続けているとみられるが、戦闘機による空爆や砲撃の頻度は大幅に低下した。
米国とサウジは共同声明で双方に停戦の延長を求めた。
両国は声明の中で、「不完全ではあるが、停戦を延長することで支援を必要とする人々に人道物資を届けることができる」と述べている。
また両国は軍政とRSFに対し、停戦を確立するための交渉を継続するよう求めた。
軍政を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍とRSFの司令官であるダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)将軍は2021年の軍事クーデターを主導し、ハムドク(Abdalla Hamdok)首相を解任した。
この紛争により1000人近くが死亡、数千人が負傷し、140万人が避難民になったと推定されている。
ハルツームの姉妹都市オムドゥルマンの市民によると、28日未明に散発的な戦闘が発生し、戦闘機が上空を何度も行き来したという。
北ダルフール州でも戦闘が報告された。
米国とサウジは声明で、「軍とRSFは停戦合意を履行していない」と非難。「そうした違反は人道支援の提供と公共サービスの回復に向けた取り組みを著しく阻害する」と述べた。
また両国はハルツームで少なくとも2人が死亡したとされる27日の空爆にも言及した。RSFは市内の民家、企業、公共施設の一部を占拠しているとみられる。