◎12年前にチュニジアで始まった「アラブの春」はシリアを含むアラブ諸国に変革をもたらした。
シリアのアサド(Bashar al-Assad)大統領が19日、訪問先のサウジアラビアでチュニジアのサイード(Kais Saied)大統領と会談した。
両首脳はアラブ連盟(Arab League)首脳会議の前に会談し、笑顔で握手を交わした。
チュニジア大統領府によると、サイード氏は多数の戦争犯罪で告発されているアサド氏との会談を「歴史的」と称賛したという。
12年前にチュニジアで始まった「アラブの春」はシリアを含むアラブ諸国に変革をもたらした。
チュニジア大統領府は声明で、「サイード大統領はシリア政府を強く支持するとアサド大統領に確約した」と述べている。
チュニジアは先月、シリアとの外交関係を回復した。
報道によると、両首脳はジッダのチュニジア政府関係者が滞在するホテルで会談したという。
アサド氏はおぞましい内戦が始まった2011年にアラブ連盟から追放された。それはチュニジアで民主化運動(ジャスミン革命)が起きてから数カ月後のことだった。
シリア内戦の犠牲者は50~60万人と推定され、10万人以上が行方不明になったとみられる。戦前の人口のおよそ半数が海外に逃亡した。
アサド氏はチュニジアメディアのインタビューで、「我々は連携して闇に立ち向かうことを確認した」と語った。これはシリアの反体制派およびイスラム過激派を指しているとみられる。
またアサド氏は「アラブの人々は何も変わっておらず、チュニジアも我々と同じだということを確認した」と述べた。
チュニジアはアラブの春につながる民主化運動の震源地であり、アサド政権を長年にわたり厳しく非難してきた。
しかし、権威主義者のサイード氏は今年2月の大地震で危機的状況に陥ったシリアとの関係を見直すと決めた。