◎昨年9月のクーデターで旧軍政を追放し、世界最年少の大統領となったトラオレ大尉は過激派に支配された領土を「征服」すると宣言したが、暴力の波に圧倒されているように見える。
西アフリカ・ブルキナファソの地元当局は19日、イスラム過激派とみられる武装集団が中東部の集落を攻撃し、女性と子供を含む民間人20人以上を殺害したと明らかにした。
AFP通信は治安筋の話しとして、「過激派とみられる武装集団は15~17日にかけて中東部の2つの集落を襲った」と伝えている。
それによると、ガーナおよびトーゴと国境を接する地域の集落で17日に少なくとも12人が死亡。この2日前には別の集落では女性と子供を含む少なくとも11人が殺害されたという。
AFPの取材に応じた地元当局者は「民家や店舗が放火され、家畜も持ち去られた」と述べている。
軍政の報道官は19日、国営メディアに対し「一部地域で対テロ作戦を行っている」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
AFPによると、襲撃を受けた2つの集落の住民はどこかに避難したという。この地域では数カ月前に外出禁止令が発令されたものの、守っている住民はほとんどいない。
ブルキナと隣国マリを中心とするサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
昨年9月のクーデターで旧軍政を追放し、世界最年少の大統領となったトラオレ(Ibrahim Traore)大尉は過激派に支配された領土を「征服」すると宣言したが、暴力の波に圧倒されているように見える。
先月中旬にはトーゴ国境に近い地域で陸軍の小隊が攻撃を受け、ボランティア兵20人を含む少なくとも24人が死亡した。
先月末にも陸軍のパトロール部隊が東部コンピエンガ県郊外で過激派の急襲を受け、兵士少なくとも33人が死亡、12人が負傷したと伝えられている。
10年近く続く過激派との戦争で死亡した兵士および民間人は1万人を超え、200万人以上が避難民になった。
一方、オーストラリア政府は19日、ブルキナでアルカイダ系組織に7年に誘拐された88歳の医師が解放され、18日に帰国したと明らかにした。