◎最高裁は検察の主張を退け、カーン氏の保釈を認めた。
パキスタンの最高裁判所は12日、カーン(Imran Khan)前首相の保釈を認めた。
カーン氏は3日前にイスラマバード高裁に出廷した直後に逮捕された。地検は3月、カーン氏を含む前政権の閣僚や関係者などをテロに関与した容疑などで告発していた。
パキスタン正義運動(PTI)は12日の声明で、「カーン氏はラホールに向かう」と明らかにした。
カーン氏の劇的な逮捕は物議を醸し、多くのアナリストが「在宅起訴で良かったのではないか」「前首相を高裁の敷地内で連れ去るなどあり得ない」と懸念を示していた。
最高裁は検察の主張を退け、カーン氏の保釈を認めた。
また判事は「いかなる容疑であろうと、5月17日までカーン氏を逮捕することはできない」と検察に命じた。
イスラマバード地検は10日、カーン氏が首相在任中に外国高官から受け取った贈答品の売却益を正しく申告していなかったとして起訴した。
9日の逮捕劇はイスラマバード近郊にある大学の土地譲渡の疑惑に関連する別の汚職事件に関するものだったとされる。イスラマバード地裁はこの件に関してカーン氏を8日間勾留するよう命じていた。
カーン氏は最高裁前で記者団の取材に応じ、「国内最大の政党の指導者が高裁前で誘拐された」と語った。「彼らは私をテロリストのように扱いました」
またカーン氏はテロリズム、扇動、冒涜などの罪で「万一」起訴された場合も勾留されないよう求めていると明らかにした。
カーン氏は有罪が確定すれば、恐らく生涯に渡って公職に就くことが難しくなる。総選挙は今年後半に予定されている。
カーン氏は厳重な警備のもとで最高裁の審理に臨み、その後、支持者に挨拶した。
最高裁は9日の逮捕について、「高裁の敷地内で行われたものであり、到底容認できない」と批判した。
また最高裁は地検に対し、カーン氏が関連する事件の全工程をチェックするよう命じた。