◎アフガンは3年連続で干ばつに見舞われ、さらにタリバンの統治下で資金難に悩まされている。
国連の食糧農業機関(FAO)は10日、アフガニスタンのいくつかの州でイナゴが大量発生し、農作物に深刻な被害が出ていると警告した。
それによると、イナゴの大量発生により、今年の小麦収穫量が25%減少する恐れがあるという。
FAOは声明で、「全国34州のうち少なくとも8州で害虫に指定されているモロッコイナゴの被害が報告された」と述べている。
またFAOは「20年前のイナゴ大発生では年間の小麦生産量の8%、40年前には25%を失った」と推定した。
タリバンの報道官はSNSに声明を投稿。「当局もその危険性を認識している」と述べた。
また報道官は「政府はその影響を軽減し、被災地に必要な農薬を供給する準備を進めている」と説明した。
FAOによると、被害を受けた地域の住民数千人がイナゴの撲滅に取り組んでいるという。
FAOは今年イナゴが大量発生した場合、年間小麦収穫量のおよそ25%が失われ、2億8000万ドル~4億8000万ドルの経済損失が出る可能性があると指摘している。
国連は現在、アフガンを含む開発途上国(アフリカや中東地域)のイナゴ対策や、イナゴの羽化場所を監視し地図化するための現地調査に必要な緊急援助を国際社会に呼びかけている。
アフガンは3年連続で干ばつに見舞われ、さらにタリバンの統治下で資金難に悩まされている。
国際社会は2021年に政権を奪取したタリバンを公式に認めておらず、制裁に近い措置を導入している。アフガン中銀の海外資産は西側政府の管理下に置かれている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は先月、アフガンで生活する約2400万人を支援するためには46億2000万ドルの人道援助が必要と報告した。