◎インドとパキスタンはそれぞれカシミール地方の一部を管理している。この係争地をめぐる紛争が解決する目途は全く立っていない。
インド政府は6日、陸軍の特殊部隊が北部カシミール地方に拠点を置く反政府勢力を取り締まり、テロリスト2人を殺害したと発表した。
軍報道官によると、陸軍・準軍事組織・警察の合同チームはテロリスト1人をパキスタン国境に近いジャム・カシミール州の郊外に追い詰め、射殺したという。
合同チームは自動小銃1丁と弾薬、手榴弾を回収した。
さらに別の部隊がカシミール西部の地区で武装勢力の攻撃を受け応戦。テロリスト1人を射殺した。
政府は5日、ジャム・カシミール州の反政府勢力が陸軍のパトロール部隊に爆弾攻撃を仕掛け、兵士5人を殺害したと発表していた。
インドとパキスタンはそれぞれカシミール地方の一部を管理している。この係争地をめぐる紛争が解決する目途は全く立っていない。
インドはパキスタン政府がカシミールの分離独立を目指す反政府勢力を支援していると非難しているが、パキスタンはこの主張を否定している。
ジャム・カシミール州南部の地区で先月20日に発生した反政府勢力による待ち伏せ攻撃では兵士5人が死亡している。
当局は今月末にこの地域で観光に関するG20(主要20か国・地域)関係者会議が開催されることを受け、警備を強化している。
カシミールで国際的なイベントが開催されるのは、2019年に政府がこの地域の自治権を剥奪して以来初めて。
反政府勢力は1989年の武装蜂起以来、カシミールのインドからの独立とパキスタンへの編入を求め戦ってきた。
カシミールの住民の多くが反政府勢力の目標(独立国家になるか、イスラム教徒の多いパキスタンへの編入)を支持している。
1989年の武装蜂起では民間人、反政府勢力、軍の兵士数万人が死亡したと推定されている。インドはパキスタン政府が武装勢力を支援したと非難する一方、一部のカシミール人は当局が平和的な抗議デモを弾圧し、市民を虐殺したと主張している。