◎スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の停戦協定は全く機能せず、戦闘は3週目に突入した。
サウジアラビアの国営メディアは29日、スーダンの首都ハルツームから逃れた外国人数百人を乗せたフェリーがジッダに到着したと報じた。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の停戦協定は全く機能せず、戦闘は3週目に突入した。
アルジャジーラもポートスーダンで外国人など約1900人を乗せたフェリーがジッダの海軍基地に無事到着したと伝えている。
イラン外務省は同日、自国民65人がスーダンからジッダを経由してイランに向かったと発表した。
UAE(アラブ首長国連邦)ではスーダンを離れた軍用機が首都アブダビに到着。米英の市民を含む約130人が関係者に迎えられた。
米国務省は声明で、「米政府が組織した護衛隊が29日にポートスーダンに到着し、米市民や現地スタッフなどを避難させた」と明らかにした。
ハルツーム市内では双方が停戦協定に合意した後も戦闘が続いているようだ。
アルジャジーラは目撃者の話を引用し、「陸軍司令部や大統領府近くで激しい銃撃戦が繰り広げられている」と報じた。
軍政は住民に屋内にとどまるよう警告している。停戦協定は市民の避難や生活必需品の入手を容易にすると期待されたが、戦闘は小康状態になるどころか、激しくなったと伝えられている。
第2の都市オムドゥルマンでも戦闘が確認された。
軍とRSFは2019年の独裁者オマル・バシル (Omar al-Bashir)追放作戦で力を合わせたものの、民政移管に向けた協議で対立。戦闘を引き起こした。
RSFはバシルが創設したアラブ系部族民兵「ジャンジャウィード」から派生した組織のひとつ。2013年に創設された。
ジャンジャウィードとRSFはアフリカ系部族を虐殺したと告発されている。ダルフール紛争の死者数は30万人と推定され、300万人近くが故郷を追われたと考えられている。
ブルハン氏は民政移管に向けた取り組みの一環として、RSFを含む国内の様々な武装勢力を陸軍に統合するよう求めている。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、一連の戦闘による死者は確認できているだけで600人近くに達し、5000人近くが負傷したという。多くの専門家が実際の死傷者数はこれよりはるかに多いと指摘している。
国連によると、ハルツーム、青ナイル州、北コルドファン州、ダルフール西部の戦闘により、約7万5000人が避難を余儀なくされたという。