◎この事故で警察官9人、民間人2人、最近拘束された武装勢力の戦闘員5人が死亡、50人以上が負傷した。
パキスタン当局は25日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のスワート渓谷にある警察施設で発生した爆発について、電気系統のショートが引き起こしたと発表した。
爆発は州警察の対テロ対策施設で24日に発生。1回目の爆発の後、大規模な爆発が確認された。
当局によると、この事故で警察官9人、民間人2人、最近拘束された武装勢力の戦闘員5人が死亡、50人以上が負傷したという。
政府は当初、テロの可能性があると報告していたが、警察はその後の捜査で電気系統の不具合により火災が発生し、署内に保管されていた爆薬に引火したと結論付けた。
警察と政府関係者は25日、殉職した警察官9人の合同葬儀に参列した。
陸軍の報道官は声明で、「崩壊した建物に残されている不発弾の除去作業を進めている」と報告した。
一方、シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は25日の閣議後、記者団に対し、「今年1月以降の武装勢力によるテロ攻撃の犠牲者が293人に達した」と語った。
それによると、治安部隊は同期間に過激派の戦闘員1525人を殺害したという。
シャリフ氏は「パキスタンの平和は多くの犠牲の上に成り立っている」と述べ、最後の反乱分子を排除するまで対テロ作戦を継続すると誓った。
アフガンと国境を接するカイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州ではテロ攻撃が相次いでいる。その多くに「パキスタンのタリバン運動(TTP)」や「バルチスタン解放軍(BLA)」などの過激派が関与している。
政府は2007年にカイバル・パクトゥンクワ州で大規模な対テロ作戦を決行。その後、武装勢力を掃討し、平和を確立したと主張したが、テロ攻撃は後を絶たない。