◎昨年の大統領選で敗れた野党党首オディンガ議員は毎週月曜と木曜に反政府集会を開くよう支持者に呼びかけ、昨年8月の大統領選を「嘘っぱち」と非難している。
ケニアの警察当局は31日、野党の「違法集会」で暴徒と機動隊が衝突し、警察官1人が死亡したと発表した。
報道によると、事件は30日に首都ナイロビ郊外で発生。警察官少なくとも20人が重傷を負い、医療機関に搬送された。
昨年の大統領選で敗れた野党党首オディンガ（Rila Odinga）議員は毎週月曜と木曜に反政府集会を開くよう支持者に呼びかけ、昨年8月の大統領選を「嘘っぱち」と非難している。
ナイロビ警察はデモが暴力に発展する可能性が高いとして、首都でのデモを禁じている。
AFP通信によると、暴徒はオディンガ氏の事務所がある西部キスムで機動隊に襲いかかったという。
ナイロビ警察の広報担当はAFPの取材に対し、「警察官1人が殉職し、少なくとも20人が暴徒を撃退する際に重傷を負った」と語った。
それによると、武装集団はデモ隊を装って会場に忍び込み、機動隊に石を投げつけ、ナタで切りかかった者もいたという。
オディンガ氏が呼びかけたデモではこれまでに民間人2人が死亡している。警察を監督する委員会は一部の機動隊員が過剰な取り締まりを行った可能性があるとして調査を進めている。
国際社会や宗教指導者は今回のデモが2007～08年に発生した民族間紛争のような事態に発展することを恐れている。この紛争では1100人以上が死亡したとされる。
ナイロビに拠点を置くジャーナリストの組合によると、抗議デモを取材していた記者に対する暴力はこれまでに25件報告されているという。
27日にはオディンガ氏が所有する企業や、ケニヤッタ（Uhuru Kenyatta）前大統領の農場が略奪被害に遭った。
内務省は30日の声明で、「平和を乱す悪党は必ず起訴される」と述べ、抗議デモに便乗する略奪や暴力が横行していると非難した。
デモ隊はルト（William Ruto）大統領にインフレや食料・燃料不足に対処するよう呼びかけている。
ケニアの先月の消費者物価指数（CPI）は前年同月比で9.2％増。食料品は13.3％上昇した。
