◎食品医薬品局(FDA)はミフェプリストンとミソプロストールによる妊娠10週目までの中絶を認めている。
米ワイオミング州知事は今週、薬による妊娠中絶を禁じる法案に署名した。中絶薬の使用を禁じた州はワイオミング州が初めて。
同州のゴードン(Mark Gordon)州知事(共和党)は17日に法案に署名し、州内における薬の取り扱いを原則禁じた。
同州議会は別の中絶禁止法案を準備しており、成立すれば同州内で中絶を行うことは難しくなる。
食品医薬品局(FDA)はミフェプリストンとミソプロストールによる妊娠10週目までの中絶を認めている。
米最高裁は昨年6月、1973年のロー対ウェイド裁判の判決を覆した。この判決により、共和党が多数派を占める多くの州が中絶を禁止または制限すると予想されている。
▽ロー対ウェイド事件(1973年):最高裁は妊娠中絶を「合衆国憲法で保障される権利」と認め、堕胎禁止を初めて違憲と認めた。
ワイオミング州は判決後に中絶を制限した13州のひとつであり、レイプ、近親相姦、妊婦の命が危険にさらされる場合以外の中絶を禁じた。
ゴードン氏は州務長官に宛てた書簡で、「私は胎児とその母親の命を守ることを強く支持します。すべての生命は神聖であり、胎児を含むすべての個人は、尊厳と思いやりをもって扱われるべきであると信じています」と述べている。
新たな州法は中絶薬の調剤、配布、販売、処方、使用を禁じ、違反した場合は6カ月以下の懲役と9000ドル以下の罰金を科すとしている。
ゴードン氏は中絶をより厳しく取り締まる2つ目の法案も近いうちに成立すると示唆し、この問題を解決するためには州法改正の是非を問う住民投票を行う必要があるという見方を示した。
「州議会が同州における中絶の扱いや医療を州法に明記したいのであれば、必要な手続きを経た後、住民投票で可否を決めるべきです...」
2つ目の法案はレイプ、近親相姦、女性の命を救うあるいは健康への害を防ぐための中絶は許可するとしている。これに違反した場合は5年以下の懲役と2万ドル以下の罰金を科される。