◎兵士たちは南部プノで4日に行われたデモが暴動に発展したという連絡を受け、支援に向かっていた。
ペルー当局は6日、南部プノの抗議デモ対応に当たっていた陸軍の兵士4人が川で溺死したと発表した。
国防省によると、兵士たちは4日にプノ市内を流れるイラベ川を徒歩で進み、2人が行方不明、5人が低体温症になったという。警察は4人の遺体を収容し、行方不明者の捜索を続けている。
兵士たちはプノ市内で4日に行われたデモが暴動に発展したという連絡を受け、支援に向かっていた。AP通信によると、この暴動で裁判所と警察署が放火され、市民少なくとも5人が負傷したという。
兵士たちはイラベ川に架かる橋を渡ろうとしたが、デモ隊に阻まれ、氷点下の中、浅瀬を渡って現地に向かおうとした。
国防省は声明の中で、「橋を塞いだデモ隊の敵対的な行動が兵士を死地に追いやった」と非難している。
前大統領のカスティジョ(Pedro Castillo)容疑者は昨年12月、議会を一時的に解散し、「特別緊急政府」を設置するとテレビ演説で発表したものの、議会の弾劾投票で罷免され、反逆罪で逮捕された。
その後まもなく、副大統領のボルアルテ(Dina Boluarte)氏が同国初の女性大統領に就任した。
デモ隊はカスティジョ氏の解放、ボルアルテ政権の退陣、解散総選挙を要求し、主に南部の地方都市で抗議を続けている。
プノでは1月初めに市民18人が死亡するなど、激しい暴動が起きている。
地元テレビ局が報じた映像には川から救助された兵士に毛布や服を与える市民の姿が映っていた。
亡くなった兵士のひとりの父親は地元メディアの取材に対し、「ボルアルテが息子を殺した」と語った。
地元の人権団体などによると、デモ関連の死者は確認できているだけで64人に達し、そのうち48人は治安当局との衝突で死亡した民間人。1人は警察官で、パトカー内で焼死した。