◎ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
アルメニア政府は5日、係争地ナゴルノカラバフで同国の警察とアゼルバイジャン軍による銃撃戦が発生し、少なくとも3人が死亡したと発表した。
内務省は声明で「アゼルバイジャン軍が待ち伏せ攻撃を仕掛けてきた」と非難。同国の警察官3人が死亡したと説明した。
これに対しアゼルバイジャンの外務省は、アルメニアからナゴルノカラバフの中心都市に通じる公道で兵士が積み荷のチェックを行っている際に銃撃戦が発生したと報告している。
同省によると、検問所の兵士はナゴルノカラバフの分離主義者に武器を届けようとする車両を発見したという。
アゼルバイジャン軍は自軍も被害を受けたとしているものの、それ以上の詳細は明らかにしていない。
ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
この地域で2020年に発生した紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。
両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。
アルメニアとナゴルノカラバフを結ぶ唯一の公道はアゼルバイジャン政府の管理下に置かれ、検問所が設置されている。そこで生活する市民12万人への物資輸送はその道を通って行う必要がある。
地元メディアによると、この道路の通行は昨年12月以来、アゼルバイジャン当局とつながりにあるデモ隊によってブロックされ、物資輸送に深刻な影響が出ているという。